中小企業診断士のごまだんです!
忙しい社会人が時間を割いて勉強するなら、その労力に見合う価値があるのかはすごく気になりますよね。
本記事では、どんな人たちが受験しているのか、合格している人たちはどんな人なのかの年齢別にまとめてみました!
記事の内容
- 中小企業診断士受験生の主な年齢層は 30〜40代
- 一次試験では年代による合格率の違いは少ない
- 一方で二次試験では年代により大きく異なる
年代別の合格率や、実際に勉強している人、受かっている人について、100人以上の中小企業診断士と知り合った僕の経験を交えて解説します!
ちなみに、業界によっても合格率は異なります。こちらの記事もまとめているので、よかったらどうぞ。
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Contents
受験者は一次二次ともに30〜40代が多く、合格率は20〜30代が高い。
中小企業診断士協会の令和2年度(2020年)のデータによれば、受験者がもっとも多いのは一次二次試験ともに30−40代。
一方で、合格率は20−30代をピークに減少傾向です。
一次試験:各年代の合格率はほぼ同じ
令和2年度の受験生は20,169人。その内合格者は5,005人です。(合格率24.82%)
年代別では以下の通り。
主要な受験者層は次の通りです。
一次試験受験者層TOP3
30−39歳:6,124人(30.36%)
40−49歳:5,803人(28.77%)
50−59歳:3,665人(18.17%)
※カッコ内は全体に対する構成比率
こうみると、30−50代で70%弱を占めていますね。
僕はLECの土日講座に通っていたのですが、20代の人はもう少し多かった印象です。イメージでいうと4割くらい。
逆に、50〜60代の人は少ない印象でしたのでこの結果は少し意外ですね。通う予備校や曜日にもよるのかもしれません。
一方の合格率については次の通りです。
ポイント
30−39歳:1,609人(26.27%)
20−29歳:816人(24.82%)
50−59歳:906人(24.72%)
※カッコ内は合格率
合格率については、20−30代を中心に高いです。
といってもTOP 3でも2%程度の僅差ですし、全体の合格率24.82%に対して主要年代の合格率は23〜26%のバラツキなので、それほど差はありません。
二次試験:合格率は年代間により大きく異なる
令和2年度の二次試験の受験者は7,082人、そのうち合格者は1,174人(合格率16.58%)でした。
年代別では次の通りです。
主要な受験者層は次の通りです。
二次試験受験者層TOP3
30−39歳:2,127人(30.03%)
40−49歳:2,109人(29.78%)
50−59歳:1,519人(21.45%)
※カッコ内は全体に対する構成比率
一次試験に続きやはり30−50代が中心で、80%を占めていますね。
一方の合格率については次の通りです。
ポイント
20−29歳:218人(26.46%)
30−39歳:501人(23.55%)
40−49歳:296人(14.04%)
※カッコ内は合格率
二次試験も20−30代の合格率が高いです。
ただ、上位TOP3の中でも10%以上の差があるのは結構な特徴ですよね。
次の項目で解説します!
一次試験と二次試験の比較
一次と二次で年代別合格率に差がある
一旦、整理しましょう。
一次試験と二次試験に共通している特徴は以下の通りです。
一次試験と二次試験の共通点
受験者層は30−50代が多い。
30代の合格率が高い。
一方で、一次試験と二次試験で異なっているのは次の通りです。
一次試験と二次試験の相違点
一次試験は年代間での合格率のバラツキが小さい
二次試験は年代間での合格率のバラツキが大きい
一次試験と二次試験のを比較すると、年齢層ごとの合格率の差が大きく開いています。
年齢 | 一次試験 | 二次試験 |
20歳未満 | 12.67% | 9.09% |
20−29歳 | 24.82% | 26.46% |
30−39歳 | 26.27% | 23.55% |
40−49歳 | 24.09% | 14.04% |
50−59歳 | 24.72% | 9.41% |
60−69歳 | 23.28% | 2.88% |
70歳以上 | 16.53% | 4.88% |
平均 | 24.82% | 16.58% |
こうやって表にしてみると一目瞭然ですね。
一次試験では年代別の合格率が12.67〜26.27%となっているのに対して、
二次試験では年代別の合格率が2.88〜26.46%とめちゃめちゃ差が開いています。
確かに、僕の周りの5〜6年かけて合格している多年度合格者は60歳前後の人が多いです。
二次試験の合格率で差が出る理由① 体力
なぜこんなに年代によって差があるのか?考えられる理由は2つ。
一つは体力面です。
二次試験は80分x4科目を1日でこなします。それも一次試験と異なり記述式なので、頭も手もフル活用させての80分はかなりハードです。
ベテランの年齢層になると、これだけの時間集中力を最後まで保てない人が増えるのかもしれません。
二次試験の合格率で差が出る理由② 経験
もう一つは経験面です。
ビジネス経験の豊かなベテラン層では、その経験が裏目に出ることがあります。
二次試験では、「与件文が全て」です。
自身が固有に持っている経験・知識で類推してはいけません。
例えば自分が実際に経験したり聞いた事例を参考にして解答してしまうケースがありますが、これはNGです。
なぜなら受験生が個別にしか知り得ない「業界の常識」のようなもので得点が左右されてしまうと公平性に欠くからです。
経験豊富で優秀なベテラン勢ほど陥りやすい罠のため注意しましょう。
年代別!二次試験の対策で気をつけるべきことは?
上記で述べたように、中小企業診断士試験最大の難関は二次試験です。
マークシート式の一次試験のようにまぐれ当たりはありません。しっかりとした対策が必要です。
年代別に注意すべき点を記載します。
20代〜30代:よくあるミスに注意!
論述型の試験は慣れが大きく影響します。企画や管理業務以外の若手だと書類を作ったことがないという人も多いでしょう。
設問で問われていることに対して解答する
「設問に対する回答」とは、問われたことにキッチリ答える、ということです。
ありがちなミスは、「理由」を問われているのに「解決策」を回答してしまう、など。
めちゃめちゃ初歩的思うかもしれませんが、これが試験となると意外とやってしまいがちなんです。
これを予防するためには、オウム返しで回答を始めることが有効です。つまり、「〜理由は何と考えられるか?」と問われた場合には、「理由は〜と考えられる。なぜなら・・・」と回答すること。
こういったルールをあらかじめ決めておくと表現がブレません。
分かりやすい表現で書く
「分かりやすい表現」とは、短く端的な文章で回答するなどです。
文章を「〜したり、〜したり、〜して・・・」とダラダラ書いていると回答がボヤけるので、オススメしません。
採点者にとっては分かりづらいリスクがあります。
これを予防するための目安は、一文を30文字程度に抑えることです。
一文を30文字程度に抑えることができれば、論点もクリアになります。
例えば100文字の設問であれば、「盛り込むポイントは 3つくらいかな」と想像ができます。
すると、「理由は 3つある。1つは〜。2つは〜。3つは〜。」と解答の骨格が決まり、分析も多角的になります。
一文を短くすることはぜひ意識してください。
40代以降:与件文を素直に読む。体力をつける
与件文に忠実になる
40代以降はベテランのビジネスパーソンです。マネジメント経験が豊富な人も多いでしょう。
それだけに、気をつけなければなりません。
40代以降の人はビジネスの経験が豊富である分、教科書通りにいかない現実を肌で感じています。
そのため解答の素案を検討する際、「こんなに上手くいくハズない」とか「現実を考えるとオトシドコロはこの辺だろう」といったリアルな配慮をしてしまいがちです。
でも、これはあくまでテストです。
個人的な経験による類推は大外しの原因となるので、よほどの自信がなければやめておきましょう。
体力をつけてコンディションを整える
また、80分x4コマをこなすだけの体力もつけておく必要があります。
バランスの良い食事・しっかりとした睡眠・適度な運動の積み重ねにより、80分x4コマに負けない体を作りましょう。
僕の周りの年配の合格者は、勉強と並行して早朝に軽いジョギングを取り入れたという人がいます。
集中力が途切れづらくなり、睡眠の質も良くなったとのことです。試してみてください。
全年代共通:模試を受けて感覚を養う
若手にもベテランにも重要なのは実践的な練習です。アスリートでも、本番前には練習試合を重ねますよね。
具体的には過去問を解いたり模試を受験することです。
特にオススメなのは模試。
模試が良い点は3つあります。
答案の点数が明確にわかる
一つは、採点して返却してくれること。勉強してみるとわかるのですが、二次試験は記述式なので、実際に自分の解答で合っているのかどうか初学者には判断が難しいんですよね。
正解不正解の線引きができない中では、勉強もはかどりません。その点、模試は自分の解答をプロが判断してくれるので効率的に勉強できます。
緊張感もって解答する練習になる
もう一つは、緊張感を感じられること。
キッチリと時間が測られていますし、周りに他の受験生もいるので、本番に近い緊張感を持って臨むことができます。
一人で模試を解いているとどうしても途中でトイレ休憩してしまったり、スマホを見てしまったりしがちですよね。
他にも「周りがどんどん解答しているのに、自分だけペンが止まっている・・・」といった焦りも経験できます。
これを経験しないまま本番当日を迎えると、焦りで思考停止しかねません。事前に経験しておきましょう。
過ごし方の練習になる
また一つ、特に重要なのは「当日の時間の過ごし方」をリハーサルできることです。
模試では本番と同じスケジュールで行動しますので、時間の過ごし方が練習できます。
その意味では自宅受験ではなく会場受験ができる模試が良いでしょう。
例えば、僕は模試で以下の実験をして、当日のルーティンを決めました。
〈模試で身につく過ごし方の例〉
どのくらいの時間帯で疲れるのか?
→午後に集中力が落ちる。休憩時間にチョコレートをひとかけら食べる
お昼ご飯は何を食べるべきか?
→たまごサンドを食べる。これなら眠くならずに午後も集中できる。
休憩時間はどうやって過ごすか?
→次の科目に集中。前の科目を絶対に振り返らない。
トイレ休憩はどの程度の頻度で行くか?
→昼休憩では必ず行く。トイレに行きたくなってしまう水分量を把握し、水を飲みすぎない。
こんな感じで、試験慣れをできれば当日に実力を発揮しやすくなります。
試験本番は一年に一度しかありません。チャンスを最大限に生かすため、模試でリハーサルしましょう。
まとめ
この記事をまとめます!
本記事のまとめ
- 受験者の年齢層でもっとも多いのは、一次二次共に30ー40代。
- 一方で合格率がもっとも高いのは20−30代。
- 合格率は一次試験では年代による差はあまりない。
- 一方で二次試験では年齢が高くなるごとに合格率が低下する傾向あり。
- 二次試験は運で合格できない。しっかりとした対策が必要。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
中小企業診断士試験は年単位での勉強が必要な国家資格です。
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